不動産営業の離職率は本当に高いのか
「不動産営業は離職率が高い」とよく言われますが、実際はどうなのでしょうか。この記事では、厚生労働省のデータや業界調査をもとに、不動産営業の離職率の実態を解説します。
【最新データ】不動産業界の離職率
厚生労働省「令和4年雇用動向調査」より
| 業界 | 入職率 | 離職率 |
|---|---|---|
| 宿泊業・飲食サービス業 | 34.6% | 26.8% |
| 生活関連サービス業 | 21.4% | 18.7% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 18.8% | 19.4% |
| 教育・学習支援業 | 16.5% | 15.2% |
| 医療・福祉 | 15.3% | 15.3% |
| 不動産業・物品賃貸業 | 17.9% | 13.8% |
| 全産業平均 | 15.2% | 15.0% |
意外にも全産業平均より低い?
データ上は不動産業の離職率は13.8%と、全産業平均(15.0%)より低く見えます。しかし、これには注意が必要です。
データの落とし穴
- 管理会社、デベロッパー、事務職なども含まれる
- 営業職に限定すると離職率は20%を超える可能性
- リース会社なども含まれるため、純粋な不動産業の数字ではない
- 大手不動産会社:離職率10%以下
- 中小不動産会社:離職率25%以上も珍しくない
新卒3年以内離職率の実態
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」によると、新卒3年以内の離職率は以下の通りです。
大卒3年以内離職率(業界別)
| 業界 | 3年以内離職率 |
|---|---|
| 宿泊業・飲食サービス業 | 49.7% |
| 生活関連サービス業 | 45.0% |
| 教育・学習支援業 | 42.0% |
| 小売業 | 37.4% |
| 不動産業・物品賃貸業 | 36.1% |
| 全産業平均 | 31.5% |
新卒に限ると、不動産業の離職率は全産業平均を上回り、約3人に1人が3年以内に辞めていることがわかります。
不動産営業を辞める人の特徴
辞める時期別の特徴
入社1年以内に辞める人:
- 入社前のイメージとのギャップが大きかった
- 飛び込み・テレアポに耐えられなかった
- 上司のパワハラに耐えられなかった
入社2〜3年で辞める人:
- 成績が伸び悩み、限界を感じた
- 他業界への興味が湧いた
- ライフイベント(結婚・出産)がきっかけ
入社5年以上で辞める人:
- 管理職への昇進を逃した
- より良い条件の会社からスカウトを受けた
- 業界全体の将来性に不安を感じた
辞める人の共通点
- 「稼げる」という面だけを見て入社
- 労働時間や休日の実態を知らなかった
- ノルマのプレッシャーでうつ状態に
- パワハラを受けて心身を壊した
- 「同じことの繰り返し」に成長を感じなくなった
- 専門性が身につかない不安
離職率が高い会社の見分け方
チェックポイント
- 同じ会社が年中求人を出している場合は要注意
- 正直に答えない、ごまかす場合は高い可能性
- 平均年齢25〜28歳 → ベテランが残っていない可能性
- 離職を前提とした採用をしている可能性
- OpenWork、転職会議などでの評価を確認
離職率が低い会社の特徴
働きやすい環境の条件
- 管理職以外の選択肢もある
- スペシャリストとしての道がある
- OJTだけでなく、研修制度がある
- 資格取得支援がある
- 残業時間の管理が徹底
- 有給休暇の取得推進
- 達成不可能なノルマを課さない
- プロセスも評価する仕組み
まとめ
不動産営業の離職率は、データの見方によって印象が大きく変わります。業界全体では平均的に見えますが、営業職、特に新卒に限定すると高い離職率であることは事実です。
重要なのは、「離職率が高いから避けるべき」ではなく、「なぜ離職率が高いのか」「自分はその環境で働けるか」を理解した上で判断することです。
入社前にしっかり情報収集を行い、入社後も自分の状況を客観的に見つめることで、後悔のない選択ができるでしょう。