IT業界は不動産営業経験者を積極採用している
意外に思われるかもしれませんが、IT業界、特にSaaS企業は不動産営業経験者を積極的に採用しています。
当サイトの調査では、不動産営業からIT業界への転職成功率は78%。年収アップ率も平均+70万円と、最も人気の転職先となっています。
なぜIT業界は不動産営業経験者を求めているのか?その理由と、転職成功のための具体的な方法を、IT業界への転職支援実績100名以上の筆者が徹底解説します。
【データで解説】IT業界が不動産営業経験者を求める5つの理由
理由1:高額商品の販売経験
SaaS製品は年間契約で数百万〜数千万円になることも。不動産営業で培った高額商品の販売経験は、そのまま活かせます。
評価されるポイント:
- 大きな金額を扱うプレッシャーに慣れている
- 長期の商談を成約まで導く力がある
- ROI(投資対効果)を説明できる
理由2:新規開拓営業の経験
SaaS営業でも、新規顧客の開拓は重要な業務です。
評価されるポイント:
- 飛び込み・テレアポの経験
- 断られても折れない精神力
- 行動量を担保できる
理由3:目標達成へのコミットメント
IT業界もKPI・ノルマ管理が厳しい業界。不動産営業のノルマ環境で鍛えられた経験は高く評価されます。
理由4:顧客との関係構築力
SaaS営業は「売って終わり」ではなく、継続利用してもらうことが重要。不動産営業で培った信頼関係構築力は、カスタマーサクセスでも活きます。
理由5:IT業界の慢性的な人材不足
IT業界は急成長しており、営業人材が慢性的に不足しています。未経験でも、ポテンシャルがあれば積極的に採用する企業が多いです。
【職種別】不動産営業経験者におすすめのIT業界ポジション
IT業界には様々な営業職があります。不動産営業経験者に特におすすめのポジションを詳しく解説します。
ポジション1:インサイドセールス(IS)
概要:
電話・メール・Web会議を中心とした内勤営業。見込み客を発掘し、商談機会を創出する役割です。
仕事内容:
- リード(見込み客)へのアプローチ
- 商談機会の創出(アポ取り)
- 顧客情報のヒアリング・データ入力
- フィールドセールスへの引き継ぎ
年収相場:
- 未経験:400〜500万円
- 経験者:500〜700万円
- マネージャー:700〜900万円
不動産営業経験が活きるポイント:
- テレアポ経験
- 短時間でニーズを把握するヒアリング力
- 行動量を担保できる姿勢
向いている人:
- 電話営業に抵抗がない人
- 数をこなすことが苦にならない人
- 効率化・仕組み化が好きな人
ポジション2:フィールドセールス(FS)
概要:
商談から成約までを担当する外勤営業。提案・クロージングが主な業務です。
仕事内容:
- 商談(対面・Web会議)
- 提案書・見積書の作成
- デモンストレーション
- クロージング・契約締結
- 社内調整(カスタマイズ要望など)
年収相場:
- 未経験:450〜550万円
- 経験者:550〜800万円
- マネージャー:800〜1200万円
不動産営業経験が活きるポイント:
- 高額商品のクロージング力
- 反対処理能力
- 長期商談のマネジメント力
向いている人:
- 提案・プレゼンが得意な人
- 論理的に説明できる人
- 粘り強く商談を進められる人
ポジション3:カスタマーサクセス(CS)
概要:
導入後のお客様をサポートし、継続利用・追加購入を促進する役割です。
仕事内容:
- オンボーディング(導入支援)
- 活用促進・定期フォロー
- 解約防止(チャーン対策)
- アップセル・クロスセル
- 顧客の声のフィードバック
年収相場:
- 未経験:400〜500万円
- 経験者:500〜700万円
- マネージャー:700〜1000万円
不動産営業経験が活きるポイント:
- 顧客との長期的な関係構築力
- クレーム対応・問題解決力
- 顧客の本音を引き出すヒアリング力
向いている人:
- 人の役に立つことにやりがいを感じる人
- 長期的な関係構築が好きな人
- 課題解決思考がある人
ポジション4:不動産テック企業の営業
概要:
不動産×ITの領域で、業界知識と営業スキルの両方を活かせるポジションです。
代表的な不動産テック企業:
- 不動産ポータルサイト運営企業
- 不動産管理SaaS企業
- 不動産クラウドファンディング企業
- 不動産AI査定サービス企業
年収相場:
- 未経験(IT):450〜550万円
- 経験者:550〜800万円
不動産営業経験が活きるポイント:
- 不動産業界の知識・用語の理解
- 不動産会社の業務フローの理解
- 業界内の人脈
向いている人:
- 不動産業界自体は好きな人
- ITを活用して業界を変えたいという想いがある人
【比較表】IT業界の各ポジションの違い
| 項目 | インサイドセールス | フィールドセールス | カスタマーサクセス |
|---|---|---|---|
| 仕事内容 | リード発掘・アポ取り | 商談・クロージング | 導入支援・継続促進 |
| 労働時間 | 比較的定時 | やや長め | 比較的定時 |
| 出張・外出 | ほぼなし | 週2〜3日 | 月数回 |
| ノルマ厳しさ | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
| 年収上限 | 700万円程度 | 1200万円以上 | 1000万円程度 |
| 未経験難易度 | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
| リモート可否 | ◎ | ○ | ◎ |
【具体的】IT業界への転職で活かせるスキル一覧
不動産営業の経験は、IT業界で多くのスキルとして活かせます。
営業スキル
| 不動産営業での経験 | IT業界での活かし方 |
|---|---|
| 飛び込み営業 | アウトバウンド営業での行動力 |
| テレアポ | インサイドセールスでの電話営業 |
| 高額商品のクロージング | エンタープライズ営業での商談力 |
| 反対処理 | 競合との比較検討への対応 |
| 長期商談のマネジメント | 大型案件のパイプライン管理 |
コミュニケーションスキル
| 不動産営業での経験 | IT業界での活かし方 |
|---|---|
| 顧客ニーズのヒアリング | 課題発見・ソリューション提案 |
| 専門用語をわかりやすく説明 | 技術的な内容の顧客向け説明 |
| 信頼関係の構築 | カスタマーサクセスでの顧客対応 |
| クレーム対応 | 障害対応・問題解決 |
ビジネススキル
| 不動産営業での経験 | IT業界での活かし方 |
|---|---|
| ノルマ達成へのコミットメント | KPI管理・目標達成 |
| 数字管理(売上・件数) | CRM/SFAでのデータ管理 |
| マルチタスク | 複数案件の同時進行 |
| 自己管理能力 | リモートワーク環境での業務遂行 |
【準備編】転職成功のために身につけるべき知識
IT業界への転職を成功させるために、事前に身につけておくべき知識を解説します。
必須知識1:SaaSビジネスモデルの理解
SaaSとは:
Software as a Serviceの略。クラウド上で提供されるソフトウェアサービスのこと。
SaaSの特徴:
- サブスクリプション(月額・年額課金)モデル
- 初期費用が低く、継続利用で収益を得る
- 解約率(チャーン)の低減が重要
- LTV(顧客生涯価値)の最大化を目指す
覚えておくべきSaaS用語:
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| MRR | 月間経常収益 |
| ARR | 年間経常収益 |
| チャーンレート | 解約率 |
| LTV | 顧客生涯価値 |
| CAC | 顧客獲得コスト |
| NRR | 売上継続率 |
| オンボーディング | 導入支援 |
| アップセル | 上位プランへの移行 |
| クロスセル | 関連商品の追加販売 |
必須知識2:The Model(ザ・モデル)の理解
多くのSaaS企業が採用している営業組織モデルです。
The Modelの4つの役割:
不動産営業が「一人で全て」を担当するのに対し、SaaS営業は分業制になっている点が大きな違いです。
必須知識3:代表的なSaaS製品の知識
面接で「知っているSaaS製品は?」と聞かれることも。代表的な製品は押さえておきましょう。
カテゴリ別の代表的SaaS製品:
| カテゴリ | 代表的な製品 |
|---|---|
| CRM/SFA | Salesforce, HubSpot |
| MA | Marketo, Pardot |
| チャット | Slack, Microsoft Teams |
| Web会議 | Zoom, Google Meet |
| 人事労務 | SmartHR, freee人事労務 |
| 会計 | freee, マネーフォワード |
| 名刺管理 | Sansan, Eight |
おすすめの学習方法
- 『THE MODEL』福田康隆著
- 『カスタマーサクセス』青本
- SaaS企業のブログ・オウンドメディア
- YouTubeのSaaS解説チャンネル
- Udemyの講座
- 無料トライアルのあるSaaS製品を使ってみる
- 自分がユーザーとして体験することで理解が深まる
【実践編】転職成功のための5つのポイント
ポイント1:「なぜIT業界か」を明確に言語化する
面接で必ず聞かれる質問です。「不動産から逃げたい」ではなく、ポジティブな理由を用意しましょう。
NG回答:
- 「土日休みだから」
- 「ノルマがきつかったから」
- 「将来性がありそうだから」(漠然としている)
OK回答例:
「不動産営業で培った高額商品の販売経験を活かしながら、より成長産業で自分自身も成長したいと考えました。特にSaaSビジネスは、お客様と長期的な関係を築き、成功を支援するモデルに共感しています。不動産営業で鍛えた信頼関係構築力を、カスタマーサクセスで発揮したいです。」
ポイント2:不動産営業の実績を数字でアピールする
IT業界はデータドリブンな文化。実績は必ず数字で表現しましょう。
アピール例:
- 「年間売上1億2000万円(目標比120%)」
- 「成約率35%(部署平均25%に対して)」
- 「新規顧客開拓 月間15件」
- 「顧客満足度アンケート 4.8/5.0」
ポイント3:SaaSの基礎知識を身につけておく
面接前に最低限の知識は身につけておきましょう。
最低限覚えておくべきこと:
- SaaSとは何か
- サブスクリプションモデルの特徴
- The Modelの概要
- 応募企業の製品・サービス内容
ポイント4:転職エージェントを活用する
IT業界に強いエージェントに相談することで、非公開求人にもアクセスできます。
IT業界転職で活用すべきエージェント:
- 大手総合型(不動産営業経験者の転職実績が豊富)
- IT/Web特化型(業界知識が豊富)
- SaaS特化型(より専門的なアドバイス)
ポイント5:企業選びは慎重に
IT業界といっても、企業によって働き方は様々。事前にしっかり調査しましょう。
チェックすべきポイント:
- 労働時間・残業の実態
- ノルマの厳しさ
- 研修・教育制度の充実度
- 離職率
- 成長フェーズ(スタートアップ or 上場企業)
- リモートワークの可否
【体験談】不動産営業からIT業界へ転職した人の声
体験談1:売買仲介 → SaaS営業(28歳男性)
「売買仲介で4年働きましたが、土日出勤と収入の不安定さに限界を感じて転職を決意。SaaS企業のフィールドセールスに転職して、年収は100万円アップ、土日休みになりました。
>
最初はIT知識がなく不安でしたが、不動産営業で鍛えた『数字へのコミットメント』と『粘り強さ』が評価されました。入社後3ヶ月で初受注、1年目で目標達成率120%を実現できました。」
体験談2:投資用不動産 → カスタマーサクセス(30歳女性)
「投資用不動産営業として5年働きました。成績は良かったのですが、夜遅くまでのテレアポと休日出勤に限界を感じて転職。
>
カスタマーサクセスを選んだのは、売って終わりではなく、お客様の成功を長期的に支援できる点に魅力を感じたからです。今は残業も少なく、顧客から感謝される仕事にやりがいを感じています。」
体験談3:賃貸営業 → インサイドセールス(26歳男性)
「賃貸営業として3年働きましたが、繁忙期の激務に疲れて転職。未経験でしたが、テレアポ経験とコミュニケーション力を評価されてインサイドセールスとして採用されました。
>
今はフルリモートで働いており、通勤時間がなくなった分、自己啓発の時間も取れています。不動産営業時代より精神的に余裕ができました。」
よくある質問(FAQ)
Q. IT知識がなくても大丈夫?
A. 大丈夫です。 多くのSaaS企業は、営業スキルを重視して採用しています。IT知識は入社後に習得できますが、営業スキルは経験がないと身につきにくいからです。ただし、最低限のSaaSビジネスの理解は面接前に身につけておきましょう。
Q. 年齢制限はある?
A. 明確な制限はありませんが、20代後半〜30代前半が最も転職しやすいです。 35歳以上の場合は、マネジメント経験があると有利です。
Q. 年収は上がる?下がる?
A. 多くの場合、年収は上がります。 当サイトの調査では、不動産営業からIT業界への転職で平均+70万円の年収アップを実現しています。ただし、未経験からスタートの場合、一時的に年収が下がることもあります。
Q. どのくらいの期間で転職できる?
A. 一般的に2〜4ヶ月程度です。 在職中に転職活動を行う場合、退職交渉の期間も含めると3〜6ヶ月程度を見込んでおくと良いでしょう。
まとめ:IT業界への転職は十分に実現可能
不動産営業からIT業界への転職は、正しい準備をすれば十分に成功できます。
この記事のポイント:
自分のスキルを正しく認識し、IT業界でどう活かせるかを言語化できれば、内定獲得は難しくありません。
まずは転職エージェントに相談して、自分の市場価値を確認することから始めてみてください。