売買仲介営業とは?
「売買仲介営業」とは、不動産(主にマイホーム)の売買を仲介する営業職です。
家を売りたい人と買いたい人をマッチングし、契約が成立したら仲介手数料をもらう。シンプルに言えばそういう仕事です。
私は売買仲介営業として8年間働きました。最初は「稼げる仕事」という期待を持って入社しましたが、現実は想像以上にハードでした。
この記事では、売買仲介営業の仕事内容から、年収、きつさまで、経験者だから言える本音をお伝えします。
売買仲介営業の仕事内容
主な業務
1. 物件の仕入れ(媒介取得)
家を売りたい人を見つけ、販売を任せてもらう契約(媒介契約)を取る業務です。
- チラシ配布、ポスティング
- 一括査定サイトからの反響対応
- 飛び込み営業(空き家への訪問など)
- 既存顧客からの紹介
2. 物件の販売活動
預かった物件を売るための活動です。
- 物件情報の作成・掲載
- ポータルサイト(SUUMO、HOME'Sなど)への掲載
- オープンハウスの開催
- 購入希望者への物件紹介
3. 顧客対応
買いたい人への対応です。
- 反響対応(問い合わせへの返信)
- 物件案内
- ローン相談
- 購入の意思決定サポート
4. 契約・決済業務
契約から引き渡しまでの業務です。
- 重要事項説明
- 契約書作成
- ローン手続きのサポート
- 決済(引き渡し)の立ち会い
1日のスケジュール例
平日(案内なしの場合)
| 時間 | 業務内容 |
|---|---|
| 9:00 | 出社・朝礼 |
| 9:30 | メール・反響確認 |
| 10:00 | 物件調査・資料作成 |
| 12:00 | 昼食 |
| 13:00 | 顧客への電話フォロー |
| 15:00 | 物件撮影・現地確認 |
| 17:00 | 帰社・事務作業 |
| 19:00 | 顧客への連絡 |
| 21:00 | 退社 |
土日(案内ありの場合)
| 時間 | 業務内容 |
|---|---|
| 9:00 | 出社・準備 |
| 10:00 | 1組目の案内 |
| 12:00 | 移動・昼食 |
| 13:00 | 2組目の案内 |
| 15:00 | 3組目の案内 |
| 17:00 | 帰社 |
| 18:00 | 案内の振り返り・顧客フォロー |
| 20:00 | 退社 |
売買仲介営業の年収
年収相場
| 経験年数 | 年収目安 |
|---|---|
| 1年目 | 300〜400万円 |
| 2〜3年目 | 400〜600万円 |
| 4〜5年目 | 500〜800万円 |
| 5年目以降 | 600〜1,500万円 |
年収の内訳
売買仲介営業の年収は、固定給+歩合で構成されます。
例:年収600万円の場合
- 固定給:月25万円×12ヶ月=300万円
- 賞与:50万円
- 歩合:250万円
歩合の割合が大きいため、成績によって年収は大きく変動します。
稼げる人と稼げない人の差
同じ会社、同じ経験年数でも、年収に2〜3倍の差が出ることは珍しくありません。
稼げる人の特徴:
- リピート・紹介が多い
- 高単価物件を扱っている
- クロージング力が高い
- 行動量が多い
稼げない人の特徴:
- 新規開拓ができない
- 成約率が低い
- フォローが雑
- 諦めが早い
売買仲介営業のきつさ【本音】
きつさ1:ノルマのプレッシャー
売買仲介営業最大のストレス要因は、ノルマです。
一般的なノルマ設定:
- 月間売上:150〜300万円
- 月間成約:1〜2件
「月1件」と聞くと楽に聞こえるかもしれませんが、数千万円の買い物を毎月決めてもらうのは、想像以上に難しい。
3ヶ月連続で未達成が続くと、精神的にかなり追い詰められます。
きつさ2:長時間労働
「9時〜18時」の定時で帰れる日は、ほぼありません。
実際の労働時間:
- 平均退社時間:21時〜22時
- 繁忙期:23時以降も
- 月間残業:60〜80時間
お客様の都合に合わせるため、夜遅くの案内や打ち合わせは日常茶飯事です。
きつさ3:土日出勤
お客様が動けるのは土日。だから、土日出勤は基本です。
休日の実態:
- 休み:火曜・水曜(平日)
- 土日出勤率:ほぼ100%
- 連休:取りにくい
友人の結婚式に出られない、家族との時間が取れない...。これが最もつらいという人は多いです。
きつさ4:収入の不安定さ
歩合制のため、契約が取れない月は収入が激減します。
収入変動の例:
- 好調月:月収80万円
- 不調月:月収25万円(固定給のみ)
同じ人でも、月によって55万円の差が出ることも。住宅ローンを組むのが怖い、将来の計画が立てられない...。精神的な負担は大きいです。
きつさ5:クレーム対応
数千万円の買い物。お客様の期待値は高く、些細なことでクレームになります。
よくあるクレーム:
- 「聞いていた話と違う」
- 「隣人トラブルがあるなんて知らなかった」
- 「設備の不具合がある」
引き渡し後に発覚した問題で、何ヶ月も対応に追われることもあります。
売買仲介営業に向いている人
向いている人の特徴
1. 数字を追いかけることに燃える人
ノルマを「プレッシャー」ではなく「目標」と捉えられる人。達成したときの喜びを感じられる人。
2. 人と話すのが好きな人
1日中、人と会話する仕事です。初対面の人とも抵抗なく話せる人に向いています。
3. 体力・精神力がある人
長時間労働、土日出勤、ノルマのプレッシャー...。タフでなければ続きません。
4. 稼ぎたい気持ちが強い人
「とにかく稼ぎたい」という強いモチベーションがある人は、きつさを乗り越えられます。
向いていない人の特徴
1. 安定志向の人
収入の不安定さに耐えられない人には向きません。
2. プライベートを大切にしたい人
土日休み、定時退社を重視する人には厳しい仕事です。
3. ストレスに弱い人
ノルマのプレッシャー、クレーム対応など、ストレス耐性が必要です。
売買仲介営業のやりがい
きついことばかり書きましたが、やりがいもあります。
やりがい1:高収入を得られる
成果を出せば、20代で年収1,000万円も可能。実力次第で稼げるのは大きな魅力です。
やりがい2:お客様から感謝される
「いい家に出会えました」「○○さんに任せてよかった」という言葉は、本当にうれしいです。
やりがい3:大きな取引に関われる
数千万円〜数億円の取引に関われる仕事は、そう多くありません。責任は大きいですが、達成感も大きいです。
売買仲介営業を続けるべき?辞めるべき?
続けるべき人
- ノルマ達成にやりがいを感じている
- 稼げているし、この仕事が好き
- 将来、独立や管理職を目指している
辞めることを検討すべき人
- 3ヶ月以上、心身の不調が続いている
- 仕事にやりがいを感じられない
- ワークライフバランスを重視したい
「きつい」と感じているなら、一度立ち止まって考えてみてください。不動産営業の経験は、他業界でも高く評価されます。無理に続ける必要はありません。
まとめ
売買仲介営業は、「稼げる仕事」であると同時に、「きつい仕事」でもあります。
向いている人にとっては天職になりますし、向いていない人にとっては地獄になります。
この記事を読んで、自分がどちらのタイプか、考えるきっかけにしていただければ幸いです。
もし「辞めたい」と思っているなら、それは決して弱さではありません。自分に合った働き方を見つけることが、長い人生では大切です。