プロフィール
名前: 佐藤翔太(仮名)
年齢: 27歳(退職時)
経歴: 大学卒業 → アパレル販売(2年)→ 不動産売買仲介(3年)→ IT業界(現在)
不動産営業時代の年収推移: 350万円 → 450万円 → 550万円
なぜ不動産営業を選んだのか
アパレル販売を2年やって、「このままじゃダメだ」と思いました。
アパレル時代の悩み:
- 年収280万円で将来が不安
- 土日休めない
- キャリアアップの道が見えない
「営業スキルを身につければ、どこでも働ける」
そう思って、不動産営業に飛び込みました。
入社前のイメージ
ポジティブなイメージ:
- 稼げる(年収1,000万円も夢じゃない)
- 営業スキルが身につく
- 成果が数字で見える
ネガティブなイメージ:
- ノルマがきつそう
- 残業が多そう
- 体育会系の社風?
「きつくても、稼げて成長できるなら、やってみる価値がある」
そう思って、入社を決めました。
1年目:地獄の新人時代
現実とのギャップ
入社して最初に感じたのは、「想像以上にきつい」ということでした。
1年目の現実:
- 毎日200件のテレアポ
- 先輩の案内に同行(週20件以上)
- 契約書の勉強(夜中まで)
- 週1回の休みすら取れない月も
1年目の成績:
- 成約件数:4件
- 売上:3,200万円
- 年収:350万円(ほぼ基本給のみ)
「稼げる」と思って入社したのに、1年目は全然稼げませんでした。
辞めたいと思った瞬間
1年目の夏、本気で辞めようと思いました。
きっかけ:
3ヶ月連続で成約ゼロ。毎日テレアポしても、アポが取れない。アポが取れても、成約しない。
上司からは「お前、やる気あるの?」と詰められる毎日。
辞めなかった理由:
「1年で辞めたら、『逃げた』ことになる」
その意地だけで、続けました。
初めての成約
入社8ヶ月目、初めて自分の力で成約しました。
成約の経緯:
テレアポで獲得したお客様。3回の案内で、2,800万円のマンションを成約。
インセンティブは15万円。金額は大きくないけど、「やっとスタートラインに立てた」という感覚でした。
2年目:少しずつ成果が出始める
成長を実感した瞬間
2年目になると、少しずつ「コツ」が分かってきました。
分かってきたこと:
- テレアポで「会いたい」と思わせるトーク
- お客様の本音を引き出すヒアリング
- 「この物件だ」と思わせる提案
- クロージングのタイミング
2年目の成績:
- 成約件数:8件
- 売上:7,500万円
- 年収:450万円
1年目と比べて、成約件数は2倍、年収は100万円アップ。
仕事が楽しくなってきた
2年目の後半から、仕事が楽しくなってきました。
楽しかったこと:
- お客様から「ありがとう」と言われる瞬間
- 狙った物件で成約できたときの達成感
- 後輩に教えることで、自分の成長を実感
「不動産営業、向いてるかも」
そう思えるようになっていました。
3年目:転職を決意するまで
成績は上がったけど...
3年目、成績は順調に伸びていました。
3年目の成績:
- 成約件数:12件
- 売上:1.1億円
- 年収:550万円
入社時と比べて、年収は200万円アップ。「稼げる」という当初の目標は、ある程度達成できました。
それでも辞めようと思った理由
成績が上がっても、「このまま続けていいのか」という疑問が消えませんでした。
辞めようと思った理由:
1. 体力的な限界
3年目になっても、休みは週1回。繁忙期は休みなし。「30代、40代になっても、この生活を続けられるのか」と不安になりました。
2. プライベートの犠牲
彼女との予定はいつもドタキャン。友人の結婚式も行けない。「人生、仕事だけでいいのか」と考えるようになりました。
3. キャリアの限界
このまま続けても、「売買仲介のトップセールス」になるだけ。それ以上のキャリアが見えませんでした。
4. 業界への疑問
正直に言うと、「この物件、本当にお客様のためになるのか?」と疑問に思うことが増えました。ノルマのために、無理に売り込む自分が嫌になっていました。
転職を決意
3年目の秋、転職を決意しました。
転職先: IT業界(SaaS営業)
選んだ理由:
- 土日休み
- 将来性がある
- 営業スキルが活かせる
- 「売り込む」より「課題解決」の営業
不動産営業で得たもの・失ったもの
得たもの
1. 営業スキル
テレアポ、ヒアリング、提案、クロージング。営業の基礎スキルは、確実に身につきました。
2. メンタルの強さ
断られても折れない、詰められても立ち向かう。メンタルは確実に鍛えられました。
3. 高額商品を売る自信
数千万円の物件を売った経験は、他では得られない自信になりました。
4. ビジネスマナー
お客様への対応、メールの書き方、電話の受け答え。ビジネスの基本が身につきました。
失ったもの
1. 時間
3年間、プライベートの時間はほとんどありませんでした。
2. 人間関係
友人との連絡が減り、彼女とも別れました。
3. 健康
睡眠不足、不規則な食事。体重は10kg増えました。
不動産営業を経験してよかったのか
結論:経験してよかった
辛いことも多かったけど、不動産営業を経験して良かったと思っています。
理由:
- 営業スキルが身についた
- 「自分は何が嫌で、何が好きか」が分かった
- 転職先で即戦力として活躍できた
- 「あの3年間があったから今がある」と思える
もし戻れるなら
もし3年前に戻れるなら、同じ選択をするか?
正直な答え: 分からない。
でも、「あの3年間が無駄だった」とは思いません。辛かったけど、成長できた。それは間違いない。
これから不動産営業を始める人へ
覚悟しておくべきこと
1. 最初の1年は地獄
成果が出ない、上司に詰められる、休みがない。最初の1年を乗り越えられるかが勝負です。
2. プライベートは犠牲になる
土日は基本的に仕事。友人との予定、恋人との時間、家族との時間。犠牲になる覚悟が必要です。
3. 「稼げる」は本当、でも時間がかかる
稼げるようになるまで、2〜3年はかかります。「すぐ稼げる」と思わない方がいいです。
アドバイス
1. 期限を決める
「3年やって、ダメだったら辞める」など、期限を決めると頑張れます。
2. 学ぶ姿勢を持つ
最初は成果が出なくて当然。「学ぶ」つもりで、先輩の良いところを吸収してください。
3. 転職の選択肢を持っておく
不動産営業の経験は、他業界でも活かせます。「辞めても大丈夫」という安心感があると、頑張れます。
よくある質問
Q. 未経験で不動産営業、やっていける?
やっていけます。私もアパレル販売からの転職で、最初は何も分かりませんでした。1年目は辛いですが、続ければ成果は出ます。
Q. 不動産営業は何年やるべき?
最低2年、できれば3年。1年で辞めると「すぐ辞める人」と思われます。3年やれば、「営業経験者」として転職市場で評価されます。
Q. 不動産営業の経験は転職で活きる?
活きます。私はIT業界に転職しましたが、営業スキルはそのまま活かせました。「高額商品を売った経験」は、他業界でも高く評価されます。