プロフィール
名前: 鈴木浩二(仮名)
年齢: 43歳(転職時)
前職: 不動産売買仲介会社 営業課長(18年勤務)
現職: 不動産管理会社 営業部長
転職後の変化: 年収850万円 → 750万円 → 820万円(2年後)
「このまま50代を迎えるのか」という焦り
43歳の誕生日を迎えた日、私は自分のキャリアについて真剣に考えました。
18年間、同じ会社で働いてきた。
25歳で入社し、営業として成績を上げ、35歳で主任、40歳で課長に昇進。順調なキャリアでした。
でも、43歳になって、ふと思ったのです。
「この会社で、あと20年働くのか?」
50歳、55歳、60歳...。そのとき、自分はどうなっているのか。
課長の上は部長。でも、部長のポストは少なく、競争は激しい。仮に部長になれても、50代で役職定年。その後は、年収が大幅に下がる「シニア社員」として働く。
「このまま終わりたくない」
その思いが、転職を決意するきっかけになりました。
40代転職の厳しい現実
書類選考の壁
転職活動を始めて、最初に感じたのは「書類選考の壁」でした。
応募した結果:
- 応募数:42社
- 書類通過:8社
- 一次面接通過:4社
- 最終面接通過:2社
- 内定:1社
書類選考通過率:約19%
20代や30代の転職と比べると、明らかに厳しい数字でした。
「年齢」を理由に落とされる
書類選考で落ちた会社の中には、明らかに「年齢」を理由にしていると思われるケースもありました。
エージェントから聞いた話:
「〇〇社は、40代の方は難しいようです...」
法律上、年齢を理由に不採用にすることは禁止されています。でも、現実には「年齢の壁」は存在します。
年収ダウンの覚悟
40代の転職では、年収ダウンを覚悟する必要がありました。
提示された条件:
- 現職:年収850万円(課長)
- A社:年収650万円(一般職)
- B社:年収700万円(主任相当)
- C社:年収750万円(課長相当)
「課長」の肩書きがあっても、転職先では「未経験者」として評価されます。年収ダウンは避けられませんでした。
それでも転職を決めた理由
理由1:長期的なキャリアを考えた
現職に残っても、50代で役職定年を迎えれば、年収は大幅に下がります。
現職で残った場合の想定:
- 43歳:850万円
- 50歳(部長昇進):950万円
- 55歳(役職定年):600万円
- 60歳:500万円
転職した場合の想定:
- 43歳:750万円(一時ダウン)
- 50歳:850万円
- 55歳:850万円(役職定年なし)
- 60歳:750万円
長期的に見ると、転職した方が生涯年収は高くなる可能性がありました。
理由2:新しい環境で成長したかった
18年間、同じ会社で働いてきて、正直「マンネリ」を感じていました。
感じていたこと:
- 新しいことを学ぶ機会が減った
- 会社の課題は分かっているが、変えられない
- 「このまま終わる」という虚しさ
新しい環境に飛び込むことで、もう一度「成長」を実感したかったのです。
理由3:不動産業界の知識を活かしたかった
18年間培った不動産の知識を、違う形で活かしたいと思いました。
選んだ転職先:
不動産管理会社
売買仲介ではなく、管理会社を選んだ理由は、「営業ノルマから解放されたい」という思いと、「長く働ける環境」を求めたからです。
転職活動の記録
使った転職サービス
登録したエージェント:
- リクルートエージェント
- doda
- ビズリーチ
- JACリクルートメント(ハイクラス向け)
40代の転職では、複数のエージェントを使うことが重要でした。1社だけでは、紹介される求人が限られます。
面接で聞かれたこと
よく聞かれた質問:
40代ならではの質問:
「若い社員と一緒に働けますか?」
「年下の上司でも問題ありませんか?」
これらの質問には、「問題ありません」と即答しました。40代の転職では、「柔軟性」をアピールすることが重要です。
内定と決断
不動産管理会社から内定をもらいました。
提示された条件:
- 役職:営業部長
- 年収:750万円(前職比▲100万円)
- 休日:土日祝
- 残業:月20時間程度
年収は下がりましたが、「部長」としてのポジションと、「土日休み」という働き方に魅力を感じ、転職を決めました。
転職後の変化
1年目:慣れるまでが大変
最初の半年は、本当に大変でした。
苦労したこと:
- 管理業務の知識がない
- 社内の人間関係を一から構築
- 若い社員との距離感
- 前職との「当たり前」の違い
18年同じ会社にいたので、「転職」という経験自体が初めて。新しい環境に適応するのに、予想以上に時間がかかりました。
2年目:成果が出始める
2年目から、徐々に成果が出始めました。
変化したこと:
- 管理業務の知識が身についた
- 部下との信頼関係ができた
- 営業時代の経験が活きる場面が増えた
- 社内での発言力が増した
2年目の年収:820万円
業績連動のボーナスが加算され、前職に近い年収まで回復しました。
働き方の変化
| 項目 | 転職前 | 転職後 |
|---|---|---|
| 休日 | 火・水 | 土・日・祝 |
| 残業 | 月40〜50時間 | 月15〜20時間 |
| 休日出勤 | 月4〜6回 | ほぼなし |
| ノルマ | 毎月 | なし |
一番大きな変化:
「数字に追われる」ストレスから解放されたこと。
売買仲介では、毎月「今月は何件」というプレッシャーがありました。管理会社では、日々の業務をしっかりこなせば、評価される。この違いは大きかったです。
40代で転職して分かったこと
分かったこと1:経験は武器になる
18年間の経験は、転職先でも大きな武器になりました。
活きた経験:
- 不動産取引の知識
- 顧客対応の経験
- 部下のマネジメント経験
- トラブル対応の経験
「40代は経験がある」ことを、ネガティブではなくポジティブに捉えることが大切です。
分かったこと2:謙虚さが大切
40代で転職すると、「前職ではこうだった」と言いたくなります。
でも、これは禁物。新しい環境では、まず「学ぶ姿勢」を見せることが大切です。
心がけたこと:
- 「前職では」と言わない
- 若い社員の話を聞く
- 新しいやり方を受け入れる
- 分からないことは素直に聞く
分かったこと3:転職は「逃げ」ではない
「40代で転職するなんて、逃げだ」と思う人がいるかもしれません。
でも、私は逆だと思います。40代で転職することは、自分の人生に責任を持つこと。
「このまま終わりたくない」と思ったとき、行動を起こせるかどうか。それが、50代、60代の自分を決めます。
40代で転職を考えている人へ
転職活動は長期戦
40代の転職活動は、3〜6ヶ月かかることを覚悟してください。
私の場合:
- 転職活動期間:5ヶ月
- 応募数:42社
- 内定:1社
「すぐに決まる」と思わず、長期戦で臨むことが大切です。
年収ダウンは一時的
40代で転職すると、年収が下がる可能性が高いです。でも、それは「一時的」なもの。
私の年収推移:
- 転職前:850万円
- 1年目:750万円(▲100万円)
- 2年目:820万円(▲30万円)
- 3年目:870万円(+20万円)※予想
2〜3年で、前職以上に戻る可能性は十分あります。
「動かない」ことのリスク
転職には確かにリスクがあります。でも、「動かない」ことにもリスクがあります。
動かないリスク:
- 役職定年で年収大幅ダウン
- 市場価値が下がり続ける
- 「このまま終わる」という後悔
40代は、「最後の転職チャンス」かもしれません。後悔しない選択をしてください。
よくある質問
Q. 40代でも本当に転職できる?
できます。ただし、20代、30代より難易度は上がります。書類選考通過率は20%程度を覚悟し、長期戦で臨んでください。
Q. 年収ダウンはどのくらい覚悟すべき?
10〜20%ダウンを覚悟しておくと良いでしょう。ただし、2〜3年で回復するケースも多いです。
Q. 管理職経験は活かせる?
活かせます。ただし、「前職の肩書き」に固執せず、新しい環境では「一から学ぶ姿勢」を見せることが大切です。