不動産営業の年収は本当に高いのか?【結論:人による】
「不動産営業は稼げる」とよく言われますが、実際のところどうなのでしょうか?
結論から言うと、人によって大きく異なるというのが正直なところです。
当サイトが実施した不動産営業経験者500名へのアンケート調査によると:
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 平均年収 | 512万円 |
| 中央値 | 450万円 |
| 最低年収(下位10%) | 280万円 |
| 最高年収(上位10%) | 950万円以上 |
同じ「不動産営業」でも、年収に3倍以上の差があるのが現実です。
この記事では、不動産営業経験8年の筆者が、経験年数別・業態別のリアルな年収相場と、年収を上げるための具体的な方法を徹底解説します。
【経験年数別】不動産営業の年収相場
経験年数によって、年収の相場は大きく変わります。
1年目:300〜400万円
年収内訳の目安:
- 固定給:月20〜25万円
- 賞与:年40〜60万円
- 歩合:年0〜50万円
研修期間を経て、徐々に契約を取れるようになる時期。多くの会社では、1年目は歩合なし or 歩合率が低く設定されています。
1年目の実態:
- 契約が取れない月も多い
- 先輩のサポートで成約につなげることが多い
- 生活には困らないが、余裕はない
2〜3年目:400〜600万円
年収内訳の目安:
- 固定給:月22〜28万円
- 賞与:年50〜80万円
- 歩合:年100〜200万円
一人前として活躍し始める時期。歩合の比率が上がり、成果がダイレクトに年収に反映されるようになります。
2〜3年目の実態:
- 安定して月1〜2件の成約ができる人とそうでない人の差が出始める
- トップセールスは500万円後半〜600万円台に到達
- 伸び悩む人は400万円前後で停滞
4〜5年目:500〜800万円
年収内訳の目安:
- 固定給:月25〜32万円
- 賞与:年60〜100万円
- 歩合:年150〜400万円
安定して成果を出せるようになる時期。会社の中核戦力として期待され、管理職への打診もある時期です。
4〜5年目の実態:
- トップセールスは年収700〜800万円台
- 中堅層は500〜600万円台
- チームリーダーや主任に昇格する人も
- この時期に転職を検討する人が多い
5年目以降:600〜1500万円
年収内訳の目安(プレイヤーの場合):
- 固定給:月28〜40万円
- 賞与:年80〜150万円
- 歩合:年200〜800万円
実力次第で大きく差がつく時期。管理職になるか、プレイヤーとして稼ぐかのキャリア選択が求められます。
5年目以降の実態:
- トップセールスは年収1000万円超えも可能
- 管理職(店長・課長)は600〜900万円程度
- プレイヤーのまま1000万円超えを狙う人もいれば、安定を取って管理職になる人も
【業態別】不動産営業の年収比較
業態によって、年収の相場や稼ぎ方は大きく異なります。
業態別年収比較表
| 業態 | 平均年収 | 年収上限 | 安定性 | 難易度 |
|---|---|---|---|---|
| 売買仲介(実需) | 480万円 | 1200万円 | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
| 売買仲介(収益) | 550万円 | 1500万円 | ★★☆☆☆ | ★★★★★ |
| 投資用不動産 | 600万円 | 2000万円以上 | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ |
| 賃貸仲介 | 380万円 | 600万円 | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ |
| 法人向け仲介 | 520万円 | 1000万円 | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
| 不動産管理 | 420万円 | 600万円 | ★★★★★ | ★★☆☆☆ |
| デベロッパー営業 | 550万円 | 900万円 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
| ハウスメーカー | 500万円 | 1000万円 | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ |
売買仲介(実需:マイホーム購入者向け)
平均年収:480万円|年収上限:1200万円
個人のマイホーム購入をサポートする仕事。一件あたりの手数料が大きい(売買価格の3%+6万円が上限)ため、成約すれば高収入が期待できます。
年収の特徴:
- 一件成約で手数料50〜150万円程度
- トップセールスは月2〜3件成約で年収1000万円超
- 契約が取れない月は収入が激減
向いている人:
- 高額商品の販売に自信がある人
- 不安定な収入に耐えられる人
- 顧客の人生の大きな決断に関わりたい人
売買仲介(収益:投資家向け)
平均年収:550万円|年収上限:1500万円
投資家向けに収益物件(アパート、マンション、ビルなど)を販売する仕事。取引金額が大きいため、成約時の報酬も高額です。
年収の特徴:
- 一件成約で手数料100〜500万円も
- 取引金額が数億円になることも
- 顧客は投資家のため、数字に厳しい
向いている人:
- 投資・金融の知識がある or 学ぶ意欲がある人
- 富裕層との商談に抵抗がない人
- 論理的な提案ができる人
投資用不動産営業
平均年収:600万円|年収上限:2000万円以上
投資用マンション(区分所有)を個人投資家に販売する仕事。いわゆる「ワンルーム投資営業」が代表的です。
年収の特徴:
- 一件成約で報酬50〜200万円程度
- トップセールスは年収2000万円超えも
- 新規開拓がメインで、テレアポ・飛び込みが多い
- 離職率も高い
向いている人:
- とにかく稼ぎたい人
- 精神的なタフさがある人
- 新規開拓営業に抵抗がない人
賃貸仲介
平均年収:380万円|年収上限:600万円
賃貸物件を探している人にお部屋を紹介する仕事。一件あたりの手数料は小さい(家賃1ヶ月分が上限)ですが、件数を稼ぐことで収入を得ます。
年収の特徴:
- 一件成約で手数料5〜15万円程度
- 月10〜20件の成約が目標
- 繁忙期(1〜3月)は稼ぎ時
- 年収の上限は低いが、安定しやすい
向いている人:
- 安定志向の人
- 件数をこなす働き方が好きな人
- 初めて不動産営業に挑戦する人
法人向け仲介
平均年収:520万円|年収上限:1000万円
企業のオフィス移転、店舗出店などをサポートする仕事。法人顧客がメインのため、土日休みの会社も多いです。
年収の特徴:
- 取引金額は案件により様々
- 長期的な関係構築が重要
- 個人向けより労働時間は安定傾向
向いている人:
- 法人営業の経験がある人
- ワークライフバランスを重視する人
- 長期的な関係構築が得意な人
【リアル公開】歩合制の実態と給与明細
多くの不動産会社では歩合制を導入しています。その実態を詳しく解説します。
歩合制の仕組み
一般的な給与体系:
| パターン | 固定給 | 歩合率 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 高固定・低歩合 | 月30万円〜 | 5〜10% | 安定志向。大手企業に多い |
| 中固定・中歩合 | 月22〜28万円 | 10〜20% | バランス型。最も一般的 |
| 低固定・高歩合 | 月15〜20万円 | 20〜35% | 実力主義。中小企業に多い |
| フルコミッション | 0円 | 40〜60% | 完全歩合。独立系・フリーランス |
【実例】月収シミュレーション
売買仲介営業(中固定・中歩合パターン)の場合:
前提条件:
- 固定給:月25万円
- 歩合率:仲介手数料の15%
- 物件単価:3500万円
- 手数料:約120万円/件
| 月間成約 | 月収計算 | 月収 |
|---|---|---|
| 0件 | 25万円 | 25万円 |
| 1件 | 25万円 + 120万円×15% | 43万円 |
| 2件 | 25万円 + 240万円×15% | 61万円 |
| 3件 | 25万円 + 360万円×15% | 79万円 |
このように、成約件数によって月収が3倍以上変動します。
歩合制のメリット・デメリット
メリット:
- 頑張り次第で高収入が可能
- 成果が収入にダイレクトに反映される
- モチベーションを維持しやすい
デメリット:
- 収入が不安定
- 契約が取れないと生活が厳しくなる
- 精神的なプレッシャーが大きい
- 住宅ローンの審査に通りにくい
【完全版】年収を上げる7つの方法
不動産営業として年収を上げるための具体的な方法を解説します。
方法1:成約率を上げる(効果:★★★★★)
最も王道の方法です。スキルを磨き、より多くの契約を取れるようになることで収入は増えます。
成約率を上げるポイント:
- ヒアリング力を磨く(顧客の本音を引き出す)
- 提案力を磨く(顧客のニーズに合った物件を提案)
- クロージング力を磨く(決断を後押しする)
- 反対処理力を磨く(懸念を解消する)
- フォローアップを徹底する(タイミングを逃さない)
方法2:単価の高い物件を扱う(効果:★★★★☆)
同じ成約件数でも、扱う物件の単価が高ければ収入は増えます。
高単価物件を扱う方法:
- 高級住宅を扱う部署への異動を希望する
- 富裕層向けの不動産会社に転職する
- 収益物件(投資用不動産)を扱う会社に転職する
方法3:条件の良い会社へ転職する(効果:★★★★★)
歩合率や固定給は会社によって大きく異なります。同じ実績でも、会社が違えば年収が100万円以上変わることもあります。
転職で改善できる条件:
- 固定給のアップ(+3〜10万円/月)
- 歩合率の向上(+3〜10%)
- 賞与制度の有無・金額
- インセンティブ制度の有無
年収アップ転職の実例:
「同じ売買仲介営業で、歩合率が10%から18%の会社に転職。年間の売上は同じでしたが、年収が150万円上がりました」(32歳・男性)
方法4:管理職を目指す(効果:★★★☆☆)
店長・課長などの管理職になることで、固定給がアップし、安定した収入を得られます。
管理職の年収相場:
| 役職 | 年収相場 |
|---|---|
| チームリーダー | 500〜600万円 |
| 店長・課長 | 600〜800万円 |
| 部長・エリアマネージャー | 800〜1200万円 |
管理職のメリット:
- 固定給がアップする
- 収入が安定する
- 部下の成果でボーナスが出ることも
管理職のデメリット:
- プレイヤーとしての収入上限より低いことも
- マネジメント業務の負担
- 部下の育成責任
方法5:資格を取得する(効果:★★☆☆☆)
資格手当がつく会社では、資格取得で月収がアップします。
資格手当の相場:
| 資格 | 手当相場(月額) |
|---|---|
| 宅地建物取引士 | 1〜3万円 |
| FP2級 | 5000円〜1万円 |
| 賃貸不動産経営管理士 | 5000円〜1万円 |
| 不動産鑑定士 | 3〜5万円 |
方法6:副業を始める(効果:★★★☆☆)
不動産営業の経験を活かした副業で収入を増やす方法もあります。
おすすめの副業:
- 不動産投資(自己資金が必要)
- 不動産ライター(知識を記事に)
- 不動産コンサルティング(経験を活かして)
- SNSマーケティング(集客スキルを活かして)
方法7:独立する(効果:★★★★★だが高リスク)
独立して自分の会社を作れば、収入の上限はなくなります。ただし、リスクも大きいです。
独立のメリット:
- 収入の上限がない
- 自分のペースで働ける
- 仲介手数料を全て自分のものにできる
独立のデメリット:
- 収入が不安定
- 固定費がかかる
- 営業以外の業務(経理、事務など)も必要
- 失敗のリスク
【比較】転職後の年収変化
不動産営業から転職した場合、年収はどう変わるのでしょうか?
転職先別の年収変化
| 転職先 | 年収変化 | 備考 |
|---|---|---|
| IT業界(SaaS営業) | +50〜150万円 | 成長産業で年収アップしやすい |
| 人材業界 | ±0〜+50万円 | 実績次第で上がる |
| 同業他社 | +30〜100万円 | 条件改善が目的 |
| 保険業界 | ±0〜+100万円 | 歩合次第で変動大 |
| メーカー営業 | -50〜+30万円 | 安定するが上限は低い |
| 異業種(営業以外) | -100〜±0万円 | キャリアチェンジのため一時的に下がることも |
よくある質問(FAQ)
Q. 不動産営業で年収1000万円は可能?
A. 可能です。 ただし、達成できるのは上位5〜10%程度です。売買仲介や投資用不動産で、継続的に高い成績を出せれば達成可能です。
Q. 女性でも稼げる?
A. 稼げます。 性別による差はありません。むしろ、女性のお客様が女性営業を希望するケースも多く、女性ならではの強みを活かせる業界です。
Q. 新卒で不動産営業は稼げる?
A. 1年目は難しいです。 多くの会社では1年目は歩合率が低く、年収300〜400万円程度が相場です。2年目以降に実力をつければ稼げるようになります。
Q. 歩合率が高い会社の見分け方は?
A. 求人情報と面接で確認しましょう。「年収例」「モデル年収」を確認し、面接で具体的な歩合制度を質問することをおすすめします。
まとめ:年収は「業態×会社×実力」で決まる
不動産営業の年収は、実力と環境によって大きく変わります。
この記事のポイント:
自分の市場価値を知り、より良い条件で働くことを検討してみてください。
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